Tokyo VR Startups 第1期参加チーム

株式会社IcARus(代表 村下 熙)

株式会社IcARusは「空を人類にとってもっと身近に」をテーマに掲げています。
プロジェクトは昨年1月より始まりました。そのときの企画したのは「ドローンのコックピットに乗った体験を味わいながらARの空中戦ができるプロダクト」でした。プレイヤーは実際のドローンを飛ばし、ドローンからの映像を頭につけたスマートフォンを用いたゴーグルで見ながら操縦します。敵も実機のドローンですが、実弾で戦うのではなく仮想の弾を使って打ち合います。相手に命中すればCGの爆発エフェクトが「その場所」に巻き起こり相手の体力が奪われます。空中にはさまざまなCGアイテムが浮いていて弾を当てると手に入れることができます。
バルサ製の1メートルの零戦を自作するところから始め、ドローン(マルチコプター)の自作をし、昨年の終わりにとうとう企画したもののプロトタイプが完成しました。
今後プロジェクトはゲームという枠を超え、人類と空のつながりという根本的な部分に踏み込んで行きます。

プログラム後インタビュー


Q1 半年間で作ったプロダクトのコンセプトを教えてください
村下 熙(以下村下):僕の作ったプロジェクトは、世界初の360°カメラを積んだ小型で安全なドローンです。

Q2 半年前はどういったコンセプトでしたか?
村下:半年前は360°カメラを積んだドローンという事で、VRと相性がいいので、このプロジェクトを始めるきっかけにもなった、教え子の夢であるドローン同士を使ったARの空中戦ゲームを作る観点で、使えるハードが作れたらいいと思いこのドローンを作り始めました。

Q3 デモデイで発表したバージョンはどのように変わりましたか?
村下:ハードとしては変化していないのですが、このドローンを突き詰めていった時に、ゲームだけじゃもったいないなと感じたんですよ。なので、他の方面で人や暮らしに役立てないかなと考えた時に、実は今自分が作っているドローンというのは、ドローンの進化の歴史の中で完成形を意味するものなんじゃないかと気づき、ゲームだけじゃなくドローン業界の頂点に立てるのではないかという確信が生まれてきて、それを目指す製品となっています。

Q4 この半年間で苦労した点は?
村下:ズバリ言うと、チームメンバーや開発体制をまとめ上げる、自分ひとりで作り上げるのが大変でした。というのは今までは法人格ではなくプロジェクトという形で利害関係なしに、それぞれがやりたいという意思のもとで、それぞれができることをやるという最少限の構成だったので、人も集まりやすかったですし、いろいろ自由に動けていたのでその部分が楽だったのです。ですが、会社となると他社との提携の話や、人と協力するにあたって自分は給料をもらっているのにその人に無償でやってもらうわけにはいかないので、その人にどのぐらいの給料を払うのかなどやりくりが難しく苦労しました。さらに、会社としてやる以上製品として完成させなければいけないので、今までやってきた物よりも1つ上のクオリティを出せる人たちと出会わなければいけない、それが今まで以上に苦労し、いろんな人づてを探して見つけるのが大変でした。

Q5 半年間を通じて何を学びましたか?
村下:学んだ事は莫大な量あるのですが、例えば僕は学生として飛び込んできたので、会社をどうやって立ち上げるのか、資金計画をどうやって作っていけばいいのか、新鮮に学ぶことができました。その一方、今まで高校や大学を出た上で、常駐していた人とのコミュニケーションや仲間との接し方など、これらには常にある程度逃げ道がありました。会社に縛られ、毎日同じデスクに行くという中で、こういった場所には逃げ道がなく、起こった問題に対して真正面から取り組まなくてはならず、打開策が見つからず机に伏す日もありました。その中で学んだ事は、このように1つの物を実現させようという時に、何一つにしても粗雑にはできない、粗雑にする選択しがない。なので、どんな事に対しても丁寧にやりこなすしか道はない事を受け入れて、自分の習慣にして丁寧にを心掛ける事を学びました。

Q6 プログラムを利用することでどんなメリットがありましたか?
村下:圧倒的に人脈がすごいことです。メンターの方は、全員と相談できるかというと自分のプロジェクトによるのですが、プロジェクトと相性のいいメンターの方は本当に親身になって相談に乗ってくださって、メンターの方からの紹介でチームメンバーが増えたり、プロジェクトを進める上で重要な人物というのはほとんどメンターの方経由で知り合う事ができ、人脈という点では申し分ないプログラムだと思います。

Q7 今後の製品展開について教えてください
村下:今までは開発という事で内輪の中で進捗の発表をしてきたのですが、プロジェクトをやる以上、それを世界に送り出して評価されなければいけません。その評価の場としてキックスターターを選びました。1月にあるのですが、そこで世界に向けてこのプロダクトを発信して、これが本当に必要とされるのか、あるいはされないのかということをこの目で見極めていきたいと思います。

Q8 最後に、これからVRスタートアップを目指す方へアドバイスを
村下:正直僕はまだ起業して半年なので、誰に対しても起業面で会社に必要な物は何かなどアドバイスできることはあると思っていません。その状況でも僕は、少なくても1人この世界にアドバイスできる人がいると思っています。それは、このプログラムに応募するかしないか迷っていた時の自分です。今その時の自分に声をかけるとしたら、「このプログラムに応募しろ」と間違いなく言います。応募する前の自分は、500万円なんていう大金をもらって、仮に何もできなった場合どうするのかなどネガティブな部分ばかり見て友達と相談していたのですが、生きていくにあたって何が起こるかわからないというのは当たり前の事なので、もっと不確定である事を受け入れてワクワクして欲しいと思います。現に今僕の周りにいる人たちは、半年前の自分が想像もしなかったぐらい素晴らしい人たちで、自分たちの作ったプロダクトでさえ、応募する前はこんな素晴らしい物ができるとは思ていませんでした。それはこれからも一緒で、何が起こるのかはわからないのは当たり前の事なので、割り切れた人が楽しめると思います。なので、今迷っている自分にかけたいのは、「迷いは捨てて何も恐れずに失敗を恐れずに飛び込んでみろ」と言いたいと思います。誰に得があるかわからないアドバイスですが、だれかの役に立てばいいと思います。

株式会社 桜花一門(代表 高橋 建滋)

我々桜花一門は、PlaystationVR向けに「VR時代のバイオハザード」とも言えるゲームの開発を通して、「新しい怖さ」に挑戦しています。
現在開発中のゲーム「ChaineMan」は「完全VR専用」「酔わない自由移動」そして「観客を巻き込むエンタテイメント」の3つをテーマとしています。
「完全VR専用」
 現在発表されているVR作品の多くは、ゲームの一部だけをVR対応にしたものであったり、既存のモニターで遊べば十分な内容だったり、ただ360°動画を見るだけのものだったりと、「VR専用」でも「完全にVR」とも言えないものばかりです。VRならではの遊び、手を使ったインタラクティブ性などがVRの一般家庭普及には必要だと考え、開発中のゲームはそれを実現しています。
「酔わない自由移動」
 インタラクティブ性の鍵でもあるVR空間内の自由移動は、VRならでは、VRでしかできない体験を実現するために重要な要素であると同時に、「VR酔い」という最大の問題を引き起こす要因でもあります。多くの開発者は「VR酔い」を理由に自由移動を諦めてしまいますが、我々はVR普及のため自由移動は必須と考え、独自の知見とこれまで制作してきた数十作品にも及ぶVRコンテンツからくるノウハウを駆使し、「酔わない自由移動」を実現しています。
「観客を巻き込むエンタテイメント」
 どんなに面白いVRゲームを作っても、VRヘッドマウントディスプレイを被っていない人に「面白い」と思われなければVRを普及させることは困難です。周りで見ている観客(例えばリビングで見ている家族・恋人・友だち)も一緒に楽しむことができ、「自分もやってみたい」と思わせる仕組みが重要と考え、それを実現するためのゲーム設計をしています。
これらを3つのテーマのもと、Playstationで初めてミリオンタイトルとなったバイオハザードのように、VRゲームで初めてのミリオンタイトルとなるゲームを開発します。

プログラム後インタビュー


Q1 半年間で作ったプロダクトのコンセプトを教えてください
高橋 建滋(以下高橋):我々が作っていたのは、根本的に言うと見知らぬ世界を旅させてあげたい。旅の中には危険もあったり新しい発見もあったり、見知らぬ土地だったり風景だったり、そういうものがいろいろある、VRでの旅行会社のような感じで作っております。今回このプロジェクトで提案するのはちょっと怖めのホラーチックなドキドキするような旅を皆様に提供しようと思っております。

Q2 半年前はどういったコンセプトでしたか?
高橋:その時のコンセプトは時間を止める事ができ、止まった時間の中で試行錯誤しながら問題解決や人助けをするという物でした。ただ、この半年間でいろいろな人に試してもらい、それこそ老若男女、初めてVRを被る人にも試してもらった結果、これがなかなかうまくいかない。最終的に根本的に自分たちが何をしたいのか見つめ直した結果、今の形に落ち着いております。

Q3 デモデイで発表したバージョンはどのように変わりましたか?
高橋:まず最初に、止まった時間の中で物を動かせて自由に移動できるところからスタートしたのですが、まず移動方法自体がかなり変わりました。当初予定していた酔わない移動方法というものが、なかなか今までの移動方法との違いが大きくあってみなさんに馴染みが浅かった。そこで酔わないながらも今までのコントローラーでの操作方法というのにマッチしたものに組み替えました。時間の要素も停止した時間がなかなか理解しづらい。そこも例えば止まっているのではなく時間がスローになるなどに変更いたしました。

Q4 この半年間で苦労した点は?
高橋:VRならではとかVRだからこそできることを皆さんに一瞬でわかってもらう事です。長い事やってわかってもらうのではなく、着けて3分以内にわかってもらう。そこの見せ方だったり3分でわかる「VRならでは」というのはなんなのか試行錯誤で繰り返しておりました。

Q5 半年間を通じて何を学びましたか?
高橋:VRというのはまだまだ奥が深くまだ全然掘れてない。我々もそうですし多分全世界の人たちは精々浅瀬の潮干狩りぐらいしか掘ってなくて、これが温泉が出るまで深く掘るにはもう数年単位、しかも何十万人もの開発者がやらなければいけない一大事業だと感じております。

Q6 プログラムを利用することでどんなメリットがありましたか?
高橋:やはりフルコミットで専住できる、VRのことしか考えなくてすむということが一番いい利点。その他にも一緒に同じような悩みを抱えている仲間たちが5m圏内にはいるので、悩んだ時にはちょっと聞いてみたり、あとは新しいもの作った時の反応を見たい時は声をかけてやってもらったりと非常に便利だと思います。

Q7 今後の製品展開について教えてください
高橋: PlayStation®VRでできれば春ぐらい、遅くても夏ぐらいには1本出して、みなさんに「PlayStation®VRといえば桜花一門」と呼んでもらえるような、それだけのパワーがある物を出していきたいと考えております。

Q8 最後に、これからVRスタートアップを目指す方へアドバイスを
高橋:やらないのとやるのでは大違いなので、やって失敗するやらなくて失敗するのなら、やって失敗した方を皆さん選んだ方がいいと思います。

InstaVR株式会社 (代表 芳賀 洋行)

InstaVR(東京中央区、http://jp.instavr.co/)はバーチャル・リアリティ技術に特化したテクノロジー企業です。これまでに5本のVRアプリを自社開発・配信し、海外比率99%・総ダウンロード数は60万に達しています(2016年1月8日現在)。
InstaVRは自社開発で培ったVRアプリ開発システムを元に、VRコンテンツを様々なVRプラットフォームに迅速、容易に配信できるオーサリングツール「InstaVR」を提供致します。
InstaVRを使うと、例えば360パノラマ動画コンテンツを使ったAndroid向けVRアプリを数分で開発することができます。作成したVRアプリはGoogle Playなどのマーケット・プレースを使って世界中に配信することができます。
2015年末にInstaVRをベータリリースし、米ラスベガスにて開催されたCES 2016にてプレス発表を行いました。現在、世界中のVRコンテンツ制作会社様、プロ写真家様などのVRコンテンツホルダーの方々にご試用頂いております。
これからも継続的にInstaVRを改良し、VRコンテンツホルダーの方々が世界中のユーザーに迅速且つ容易にVRコンテンツを配信できる環境づくりを進めてまいります。
InstaVR株式会社はパートナーシップに非常に前向きです。何かございましたらお気兼ねなく partnership@candlify.comまでお問い合わせ下さい。
Youtube : "InstaVR" Cloud-baesd VR (Virutal Reality) app maker demo
https://www.youtube.com/watch?v=4SE01n2En5Y

プログラム後インタビュー


Q1 半年間で作ったプロダクトのコンセプトを教えてください
芳賀 洋行(以下芳賀):弊社は「InstaVR」という、バーチャルリアリティ(以下VR)を使ったマーケティングをすぐに開始できるソリューションを提供しています。こちらはVRのアプリの「オーサリング」「配信」「分析」というすべての作業を、ワンストップで行える世界初のソリューションとなっています。

Q2 半年前はどういったコンセプトでしたか?
芳賀:半年前はですね、VRのアプリを簡単に作れるソリューションでした。

Q3 デモデイで発表したバージョンはどのように変わりましたか?
芳賀:DemoDayで発表したバージョンに関しては、最初にお話したコンセプトとほぼ一緒の物ですね。完成品もほぼ同じ物ができています。VRのマーケティングを開始できるように、オーサリングもできますし、配信先としてもwebやアプリ、iOS、Android、GearVRへの配信ができます。分析基盤としてもヒートマップを使った分析器を使った機能はすでに搭載されているというバージョンをDemoDayでご紹介差し上げました。

Q4 この半年間で苦労した点は?
芳賀:全般的に苦労しました。

Q5 半年間を通じて何を学びましたか?
芳賀:ものすごくいっぱいありますね。言葉にするのは難しいです。「学ぶ事がいっぱいある事」を学びましたね。

Q6 プログラムを利用することでどんなメリットがありましたか?
芳賀:メリットはメチャメチャありますね。そもそも僕、法人登記してなかったんで、法人登記のサポートをしていただけますし、細かいところですけど銀行の口座の開設など、(銀行の)紹介を得ることが難しい事があるんですが、それもやっていただけます。弊社の場合だと、進める上で弁護士さんの紹介が必要なので、そのサポートがありがたかったですね。オフィスも提供してもらえます。意外とお金掛かるんですよね、オフィスを探すのは、そういうのをワンパッケージでやっていただいて、事業以外の事をすべてお任せできるというのは、非常にいいプログラムだと思います。事業に関しても、各種メンターの方からさまざまなサポート、主にネットワークの共有だったり、「このイベントに出たほうがいい」などのご指摘も頂けます。特にビジネス面で弱い面があると叩いていただけるというのは、すばらしいプログラムだったなと思います。

Q7 今後の製品展開について教えてください
芳賀:今後ますますがんばって行きますが、現時点で使って頂けてる会社数が1500社いらっしゃり、100ヶ国に上ります。今後も展開を進めて、より幅広い地域のお客様のニーズを満たせるように頑張って行こうと思っています。

Q8 最後に、これからVRスタートアップを目指す方へアドバイスを
芳賀:アドバイスできる立場じゃないんですが笑 特に学校に入るわけではないので、このプログラムに入ったからといって、「待っていれば何か来る」というわけじゃない。インキュベーションの方が提供してくれる物を飲み込むのはいいのですが、お客さん連れてきてくれるわけでもないですし、製品作ってくれるわけでもないので、お客さんと話すのも全部自分たちです。そこは「そんなもんだ」ぐらいで。ここに入ると製品ができるわけでもないので、自分たちで基本やろうとしている事に、たまたまインキュベーション施設があって、「ここがやろうとしてる事が自分にあってる」といった感じで参加されると、期待値がずれないと思いました。

株式会社ハシラス(代表 安藤 晃弘)

株式会社ハシラスは、本プログラムの期間で「出張型VR遊園地」を実現します。
VR業界では家庭用コンテンツが活況ですが、筐体を使用し体感を伴うVRは別次元の楽しさがあります。一方で、The VOIDのような建築物前提のVR施設は、先端技術の陳腐化、来場者の移動コストが問題になってくることが想像されます。出張型VR遊園地にすることで、現地ニーズに合わせた構成で、国内外問わない展開を実現します。
弊社は法人にする前から長く活動をしており、乗馬マシンを使った「Hashilus」という作品や、ブランコ型の筐体の「Urban Coaster HARDMODE」などで受賞をしており、体感筐体を活かしたVRについて多くの知見と実績を持っております。
Oculus Riftの製品版が発売され、「HMD単体でも高い!」というのが巷の評判となっています。当面はアーケードゲームのような形でタッチポイントを設けることはVRの一般家庭普及にとって重要になるでしょう。弊社は、その先端を切り拓きます。

プログラム後インタビュー


新 清士(以下新):Tokyo VR Startups(以下TVS)の第1期が終了しました。安藤さんの株式会社ハシラス(以下ハシラス)はすごいハードを出してすごい話題になりましたね。

安藤 晃弘(以下安藤):ありがとうございます。

新:6ヶ月間たちましたが、ハシラスにとってこの6ヶ月間はどのような物だったのでしょう?

安藤:全力疾走でしたね。特にこの6ヶ月はいろんな物が重なっていて、TVSの試みは試みで進めてはいたのですが、それとは別にリクルートテクノロジー様と一緒にやっていた「4筐体納品各3台ないし4台」という結構ヘビーな物の1ヶ月後に、サンシャンイン60展望台に常設VR、しかも初めてのVive、これを2種類4筐体。このスケジュールの中でこれらをやっていくのはすごい大変で、しかもその後の1ヶ月後にダービー東京優勝の1週間イベントで新作を出しました。ハードもソフトも新作でした。我々にとっても非常に充実な6ヶ月間で、その中においていかにして頂いた物を基に自己実現していくかという部分には、一定以上の答えは出せました。

新:何がこのインキュベーションプログラムに入って、大きなメリットになりましたか?

安藤:実は我々はほっといてもとにかく物を作ってしまうし、ほっといてもいろんな事を考えてしまいます。依頼が来れば依頼に答えます。やはりスピード感ですね。ですので、何かこれ1個を作りましたではなく、全ての物作りを加速させることができたのが一番のメリットです。ありがとうございます。

新:具体的にはお金の事?

安藤:そうですね。お金の面での支援が我々は大きかったです。他に発表の場を頂けた事、実はここが本当にお金の面以上の、むしろタダでもよかったといのは言い過ぎなんですけど、ただベルサールという大きい場を頂戴して、名立たる世界中のすごい方が来てる中、自前の物を出せるっていうのは非常によかったです。あの場で、お時間を頂いて発表ができた事が最高でした。

新:デモデイはどうでした?その時の感想やフィードバックは?

安藤:そうですね。やはりアトラクションではどうしても起きてしまう問題なのですが、並んでしまう部分があって、それが満足に100%回せたのかというと、実はどうした方がよかったかなと......各2台や4台での回転効率には、満点の解答は出せないままでした。逆に言うのであれば、今まさに進めている物などは回転率に対して反省点を活かそうと思っています。ですが、反響はすごい感じられたのでよかったです。

新:安藤さんのチームは、特にブランコはどこに行っても大人気でしたよね。

安藤:そうですね。ブランコに関しては何と言っても「コスパ」ですね。ブランコは今後も一定以上の場で展開していくでしょうね。安く作れて効果が高いので。あれよりゴージャスなブランコもあるんですよ、動力を積んだものが。ただ、あれは体感的にはほんの少しよくなっても、コストが倍以上になってしまうんですよ。そこはやはり効率で負けてしまいますね。

新:ロケーションVR以外はどういう風にやって行こうと思いまか?まだやっとナムコさんが入ってきて、セガさんも始めようとしていて、少し認知がされるようになってきたと思うのですが。

安藤:やっと彼らも僕らのところに来てくれたなと感慨深いです(笑) ロケーションVR以外ですよね。うちはある程度ロケーションVRに特化していますからね。もう一つはしのびやさんのSIMVRみたいな、いわゆるSDK、APIを配布しつつというモデルはあり得ると思っています。

新:世界についてはどう思いますか?世界中でロケーションVRが少しづつ姿を現していますが、そういった物に対してハシラスさんとしてはどのようなアプローチをしていこうと思っていますか?

安藤:早めにやらないと負けてしまうと思っています。因みになんですが、7月12日火曜日のTokyo to Texas(TTT)いわゆる South by Southwest(以下SXSW)に対して面白いコンテンツを送ろうという会があって、これは条件が厳しくて東京大学在学か卒業生がコアメンバーにいなければいけない。ハシラスは満たしているんですよ。なのでSXWSは行きたいし取りたいと思っています。いきなりSXSWにいけたらいいと思いませんか?

新:そうですね。

安藤:落ちた場合自前で行くのかどうかは、大蔵省と相談ですかね(笑)

新:この6ヶ月間で本当にVRの状況も変わってきましたね。さらに1年前となるとハシラスさんは会社を作る前になりますね。そこで、1年後はどうなっていると思いますか?

安藤:1年後。一部上場とかそういう話ですか(笑) いやいやいや今のなしで!ノリで言ってしましました。上場目指すのがいいのか、という話もありますので。でも改めて僕はスタートアップという物をいろいろ見ていくと、ハシラスはスタートアップらしからぬと、最近は感じています。あんまり燃焼しつくして売り切るまでっていう物を考えてないのか、もう少し今のやつを楽しみながらやりたいという部分はあったりします。

新:今会社の課題はなんですか?

安藤:人がいない事と、お金がない事です。お金は欲しいですよ。お金がないというのは、やはり今我々がやりたい事の方が多すぎるんです。今あるアイディアって今日やってるのはわずかな物で、実はまだまだすっごいイケてるアイディアがあるんですよ。隠し玉が。このアイディアは今の時期やるべきだとチームメンバーと話しているのですが、なかなかできない。例えばですけど、ホラーだって2年前に1回1年前に1回、やはり夏を前に確たるものを出したかったんですよ。だいたいみなさんから遊園地案件が来ると「ライド物」「ホラー物」必ずあるんですよね。うちが取りたかったなぁ。

新:実際に作ってましたもんね。

安藤:作ってたんですけど、それを外部からのお金がない中で完全な納品クオリティにするには、ことホラーにおいては難しいです。実は「すごい怖い物」は今でもある程度はできているんですよ。ただ、それではホラーはダメなんですよ。一般展示するホラーは女の子をキャーキャー言わせなきゃいけないんですよ。

新:なるほどなるほど。

安藤:そうするとやっぱりグロかったりグラフィック面で充実している、所謂心理面に怖いホラーのVRは価値は高いんですが、それは家庭用まででアトラクションとしてはダメです。それを作るにはリソースを多く投入しなければいけないという感じですね。

新:そういう意味では、次のステップに進もうとしていますが、もっともっとハシラスは成長ができる余地があるという事ですか?

安藤:できます。むしろ今はがんじがらめの足かせの中で、泥沼の中を藪を切り開きながらのんびり動いている状態が、今の我々です。なので今ここに人金が必要で、人は何人か粉かけたりして座組みはできそうな感じです。もう1~2週間のうちにスーパーメンバーを紹介できると思います。

新:素晴らしい。では1年後の上場を目指して(笑)

安藤:はははは(笑)ですが、今以上のプレゼンスを発揮しているでしょう。ただそれがどこまでワールドワイドにリーチするか、まず確実に言えることは米国には手は伸ばしていると思います。ヨーロッパ近辺はどこから攻めるのがいいのか悩んでいて、中国はうちの経営層はNGを出し続けていて。オファーはあるにはあるんですけど。今出してしまうと負けてしますので、悩みどころです。

新:わかりました。ということで、このTVS1期に応募いただいたハシラスの安藤さんにインタビューさせて頂きました。どうもありがとうございます。

安藤:ありがとうございました。

株式会社よむネコ(代表 新 清士)

株式会社よむネコは、VR脱出ゲーム制作ソリューション「フェイクソーシャルネットワークVR(仮)」を開発します。
弊社は、フェイスブック風のインターフェイスを持ったスマホ向け脱出ゲームアプリ「13人の謎−フェイクソーシャルネットワーク(FSN)」の企画・開発を株式会社ヴァンガードと行い、14年9月にリリースした実績を持ちます。FSNシリーズは、昨年第2弾がリリースされ、第6弾までリリースの準備を進めています。
TVSのプロジェクトチームでは、これらのノウハウを元に、VRならでは新しい体験ができる脱出ゲームを量産化でき、様々な設定やストーリーに適応できるソリューションの開発に取り組みます。そして、新規エピソードを毎月リリースできる制作体制を構築します。また、VR専用コントローラーやソーシャルVRにも、積極的に対応する予定です。
6月末までに、最初のソリューションのプロトタイプと展開例エピソードの開発を完了する予定です。

プログラム後インタビュー


Q1 半年間で作ったプロダクトのコンセプトを教えてください
新 清士(以下新):我々よむネコは「VR脱出ゲームを作る」ということをコンセプトに掲げて、この半年間ゲームを作ってきました。半年間でできたゲームは「エニグマスフィア 透明球の謎」というゲームを作らせていただきました。我々はゲームの中心的なところとして、特にハイエンドのVR、HTCViveとOculus Touchに合わせてゲームを開発しており、先端的なハイエンドVRが持っている特有の体感の気持ちよさを追求して手触り感にもっていきました。それを2P以上で遊べるような環境としてマルチプレイを実現するために、非常に苦労して製作をしておりました。結果としてはうまくいったと思っています。非常に高い評価を頂いたのでありがたいと思っています。

Q2 半年前はどういったコンセプトでしたか?
新:最初から我々はVRの脱出ゲームをつくることを決めていたのですが、じゃあ現実のVRに比べてどういう風に作れば面白いのかとても悩みました。脱出ゲームそのものは現実世界でものすごく流行していて、それをそのまま移植するところから始めたのですが、意外と面白くなくてその部分ではずいぶん悩みました。

Q3 デモデイで発表したバージョンはどのように変わりましたか?
新:試行錯誤を繰り返していったんですが、一つに我々はユーザーテストを重視していてユーザーに実際に触ってもらって、脱出ゲーム的な面白さというのはどういう物があるのかなど探っていきました。その結果、少しパズル寄りの方向で脱出ゲームを構築する事で、ゲームを何回も遊びたいと思わせる事、探索的な面白さを様々な形で再現できる事がわかってきましたので、そこに注力してゲームを作りました。

Q4 この半年間で苦労した点は?
新:やはり途中で作っていた物が、VR酔いしやすい問題が起こりました。我々は最終的にワープをする方式をとったのですが、それに至るまではコントローラーの前後ろ横移動にしていたので、やはりすごく酔う方がいました。しかし、どのような移動の方式が主流になるのかまだ見えない状態なので、どのようにVR酔いを抑えればいいのか工夫していたのですが、結果的にワープ方式になるまでは答えがでなくてものすごく苦しみました。

Q5 半年間を通じて何を学びましたか?
新:1つはVRの持っている没入感は非常に強力で、やはり新しいメディアとしての面白さがあることですね。もちろん我々はその仮説を持っていたのですが、今の実際のゲームが完成するまではそれを確実に証明できる物は断片的にしかわかっていなったんですね。ただ、半年間を通じてそれを作り上げてみると、やはりVRの持つ深さとか新しい体感「これは新しいゲームジャンルができる」という事が確信をもって言えるようになりました。なので、それは半年間やってよかった事だと思います。

Q6 プログラムを利用することでどんなメリットがありましたか?
新:Tokyo VR Startupsの仕組みを利用してものすごくよかったのは、何と言ってもまずは情報ですね。やはりこういったプログラムが立ち上がっている事によって全世界の情報が入ってくる。非常に先進的な情報を得ることによって、我々の作っているゲームが世界の中でどのようなステータスにあるのか確認ができたという事です。他の4社の方と交流ができた事によって、お互いにものすごく刺激を受ける事が出来て、「うちももっとがんばらなきゃ」と思えたことですね。バックオフィス業務をなにより持っていただけたので、それらの支援をして頂いて、経理などの弱い点が多い組織の総務的なところを持って頂けた事がものすごく楽だった点です。

Q7 今後の製品展開について教えてください
新:今年の年末に合わせて実際に販売する事を目標に、今開発を続けている最中です。正直年末まで4ヶ月しかないですが、合わせて全力で作って、何としても1つの成果として出したいと思っています。

Q8 最後に、これからVRスタートアップを目指す方へアドバイスを
新:VRは新しいメディアでものすごく可能性がある物なので、そこの部分を早く見つける、早く見つけて早く手を動かすことはすごく大切な事だと思っています。やはりうちのチームが強かったのは早く手をつけられたことです。なのでできるだけ早くVRをやってみたいと思う人がいるのであれば、一刻も早く自分のアイディアだけではなく、それを実現するように取り組んだ方が良いと思います。